いつか許してほしいこと

入退院をくり返しながら10年以上かかわりを持ちつづけてきた女性患者が,あるとき突然,静かに語りはじめた。「時々“ここは刑務所じゃないか”って思うんです」。衝撃的なその言葉の背景には,それまで彼女をとらえてきた1つの体験があった。「傾聴」「共感」をみずからの専門性とする看護において,患者の「語りを聴く」ことの意味とは何か。