2010年12月号の表紙

 早いもので今年も残すところ後1か月となりました。年内に残された最後のイベントといえば,クリスマスです。国や宗教を越えて全世界的に祝われる祝祭はおそらくクリスマスだけでしょう。クリスチャン以外の方がクリスマスを祝うことについて「商業主義に踊らされている」と景気の悪そうな顔をしながら批判するテレビのコメンテーターが毎年でてきますが,これは明らかに祝祭の本質を理解していない意見であると思います。
 さて,今回の特集では精神科病院にまつわる「お金」について少し焦点をあててみました。相変わらずの景気不振や病院経営の難しさが叫ばれる中で,病棟で働かれるスタッフのみなさま1人1人が意識してできることとは何か,考えてみました。景気のよいお話ではありませんが,日々の看護実践にもかかわる大切な問題と実感しています。
 とはいえ,1年の終わりくらいは景気よく,晴れやかに締めくくりたい。信仰はともかく,クリスマスの華やかさが少しでも気持ちを晴れやかにしてくれたら,それだけでもクリスマスを祝うことの意味があるのではないでしょうか。素敵な1年の締めくくりとなります様,今年最後の表紙イラストにはそんな思いを込めました。