特集にあたって 医療法人社団翠会成増厚生病院 榊 明彦
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「セルフケア」には「健康の危機に気づき,自分で自分の健康を管理する」「自分のために実行する」という意味が込められている。しかし,精神科病棟で長く療養生活を送ってきた人には,健康のために,自分のためにといっても,それは簡単なことではない。しかも退院が現実味を帯びてくると,多少なりとも地域生活への不安感や空漠とした孤独感を抱えることになるだろう。そう考えると,「やらなきゃいけないとは思うけど……」という患者さんの言葉が妙にしんみりと心に響く……。 |