特集にあたって

編集部

 看護職が安心して活き活きと働ける職場であることは,そこで働く看護職自身の心身にとっても大切なものであり,同時にそれは患者さんに提供される看護のあり方にも影響を与えるものだろうと思う。そこで今回の特集では「働く環境,再考」と題して,短時間正職員制度の導入(多様な働き方の実現)が職場環境に与える影響,組織風土のありように関して組織のリーダーである看護管理者のもつ機能や責務について,さらにはケアと職場環境の向上をはかるために取り組んでいる,とても身近な多種多様な方策など,職員が安心して働ける職場をめざして奮闘する全国の精神科病院の取り組みを紹介したい。
 また,特集2では今年6月6日から8日にかけて行われた日本精神科看護協会主催,第39回日本精神科看護学術集会(広島)の基調講演「精神科看護のスキルとしてのチームマネジメント(講師:大塚恒子氏)」の内容を一部加筆修正のうえ,掲載する。マネジメントとは何か,部下をやる気にさせる方法,リーダーシップのあり方,さらに米国におけるマネジメントやリーダーシップの考え方など,多岐にわたる内容となっている。
 特集1,2ともに「働く場」について再考する際に必要となる基本的な視点―組織とは何か,リーダーシップとは何か,職員が安心して活き活きとして働くとは,どういったあり方か―を提供してくれている。ぜひご自身の組織を見つめ直す際に参考にしていただければ幸いである。