特集にあたって

編集部

 精神科病院において日常的に行われているレクリエーション。そのバリエーションは,季節的なもの,集団的なもの,ゲーム的なものなど多様だ。では,このレクリエーションは精神科看護の展開において,どのような効果をもたらしているのだろうか。レクリエーションを通じて患者の状態を評価できること,患者の健康的な面にフォーカスできること,さらにはレクリエーションを通じた患者―看護師間の信頼関係の構築などが考えられる(当然,患者自身にもたらされる効果も多い)。しかし,これらの効果を得るためには,ただ漫然と決められたプログラムをこなすのではなく,その意義や目的意識を明確化し,多職種間で情報を共有することなどが重要となるだろう。
 「レクリエーションの意義」ということに関していえば,本特集において再々指摘されている「レクリエーションを看護師が『本気』で楽しむ」というあり方が1つの参考となるだろう。本気で楽しむことで,レクリエーションという場における患者―看護師の相互作用が生まれる。そこから見出される患者の強みをその後の看護の展開にどう結びつけていくか。このことが,精神科におけるレクリエーションの意義を決定づけるのではないだろうか。また今回の特集では,昨今の精神科医療において喫緊の課題となっている認知症患者へのケアにおけるレクリエーションのあり方についても盛り込んでいる。