特集にあたって

編集部

 適切な看護を継続的に提供するためには,患者さんのアセスメントやケアプランの妥当性を常に検証し,方針をチームで共有する必要があります。臨床において適時行われているカンファレンスはそのための場としてあり,多くの現場で実践されていることでしょう。ただそれがあまりにも日常的過ぎて,日々行われているカンファレンスが具体的な実践へと落としこまれているかという検討はおろそかになっているということも考えられるのではないでしょうか。あるいはカンファレンスへの不全感を抱きつつも,業務が流れていくということもあるでしょう。そこで今回の特集では,カンファレンスの機能をあらためて見直し,具体的な実践に結びつくカンファレンスのあり方・方法について紹介します。
 今回の特集では,課題解決に向けたカンファレンスとは別の機能――課題に対して各スタッフが抱える思いを安心して表出する場,あえていえば治療的な場としてのカンファレンスの機能について整理しています。そして,患者はもとよりチームに寄与し,実践に活かせるカンファレンスの実践方法をファシリテーターの視点から,さらに昨今多くの施設が取り入れている「患者参画型カンファレンス」の実際や,日常的なカンファレンスを実践に落とし込むための工夫について紹介しています。今回の特集を通して,読者のみなさまが日々参加するカンファレンスがより実践と地続きなものとなれば幸いです。