特集にあたって

編集部

 4月は改編の時期。多くの病棟でもこの4月から新しい体制での病棟運営が始まっていることと思います。
 科をまたぐような勤務異動の場合,新しい知識や技術の獲得,病棟の雰囲気になじめるだろうかなどといった不安は比較的明確に存在するように思います。では,精神科単科内における勤務異動(病棟異動)に関してはどうでしょうか。病棟機能こそ違え,対象となるのは精神疾患患者であることには変わりなく,それほどの不安やストレスはないように思います……が,それでも病棟機能によって求められる看護の内容の差は,一部の看護師にとっては離職などにも通ずる看過できない問題ではないでしょうか。そこで今回は,精神科単科内における勤務異動(病棟異動)に焦点をあてた特集を組みました。
 当然,慣れ親しんだ病棟やスタッフ,かかわりのあった患者さんたちから離れることには不安や心残りがあると思います。やり残したこともあるかもしれません。しかし勤務異動の経験によって得られる精神科看護師としての「幅」は,その看護師個人を成長させ,患者さんに,ひいては組織全体に利益をもたらすはずです。
 今回紹介させていただいた記事が,まさに勤務異動目前の看護師や,異動したばかりの看護師,また将来確実にやってくる勤務異動に不安を感じている看護師にとって「勤務異動も悪くない」と思えるようなものとなれば幸いです。