特集にあたって

編集部

 新年度に入り,多くの現場では新入職員を迎えていることと思います。入職から1か月が過ぎたこのころは,少なからず職場にも慣れ,自分の仕事や周囲の環境を,徐々に落ち着いて見られるようになる時期であるといえます。しかし,その一方で,それらを落ち着いて見られるようになったがゆえに,理想と現実のギャップ,また自分の実力も同時に見えるようになり,いわゆるリアリティショックを抱いてしまう時期であるともいわれます。そうしたショックを乗り越えていくうえでは,周囲のサポートはもちろんのこと,先輩たちの経験からの「生のアドバイス」が大きな助けになるのではないでしょうか。
 そこで今回の特集では,精神科に入職したばかりの新人さんを対象に,精神科看護の先輩方に新人時代を振り返っていただきながら,精神科看護の道を歩み出すためのメッセージをいただきました。冒頭の座談会では,異なる精神科看護歴をもつ成増厚生病院のスタッフの方々に,新人時代の不安や戸惑い,そうした経験を踏まえたうえで現在どのように新人指導に臨んでいるのかを語っていただきました。また,それに続く各稿では,新人さんの多くがとりわけ不安を抱える「夜勤」を乗り越えるためのコツを伝授していただきます。
 本特集が,新たな道を歩みはじめた精神科看護の新人さんが困難を乗り越えるうえでの一助となれば幸いです。