特集にあたって

編集部

 今年度の診療報酬の改定においても「看護職員と看護補助者の業務分担の推進」として一定の範囲において看護補助者が事務的業務を実施できることが明確化され,医療現場における看護補助者の活用推進への注目度は依然高まっています。しかし,看護補助者の「力」が十分に発揮されるには,一方的な「活用」ではなく,同じチームのメンバーとして「協働」していくこと,あるいは看護補助者自身の役割意識を引き出していくことこそが重要なのではないでしょうか。今回の特集では,そうした協働や役割意識を引き出していくための方法,取り組みに焦点をあてたいと思います。
 まず,今日の看護補助者活用推進の制度・政策上の流れを整理するとともに,精神科病院における活用の現状と課題を看護管理者の立場から述べていただきます。続いて,看護補助者の力を引き出していくために,看護補助者による看護補助者への教育に看護部をあげて尽力してきた取り組みをご紹介します。また同じく,看護補助業務を見直し,リーダー制を導入するなかで,看護補助者の役割意識がさらに高められていった実例をお届けします。最後に,いままさに看護補助者との連携を模索する病院の方々に,看護補助者への教育を中心に試行錯誤する現状を語っていただきました。
 本特集が,それぞれの現場で,看護補助者がその「力」を如何なく発揮していくための「協働」「活用」のヒントになれば幸いです。