特集にあたって

編集部

 看護師に限らず,就職したばかりは右も左もわからず,目の前の仕事をこなすことで精一杯になります。そして,3年目を迎えるあたりで,仕事に対し慣れや余裕が生まれ,組織の一員として力を発揮できるといわれています。
 しかし,3年目というのは仕事が十分にこなせるようになり,その醍醐味や魅力がわかりはじめる一方で,自分の力不足や仕事への向き不向きも徐々に見えはじめる時期でもあります。それゆえ,「いまのまま仕事を続けていくべきか,別の科へ移るべきか」と悩みを抱えるなど,今後のキャリア形成の分岐点になると考えられます。
 こうした仕事における不安や葛藤は,本人の仕事へのモチベーションだけではなく,組織全体にも影響することになるため,適切なサポートをしていく必要があります。先輩看護師がその不安を取り除き,精神科看護の魅力や奥深さを伝え,立派な精神科看護師になるよう指導していく。こうした実践は,教育的視点から見ても非常に重要なことでしょう。
 いま現在,3年目を迎える方は,同じ悩みをもつ看護師がどのように自分自身と向きあっているのか,参考にしてみてください。そして,指導を行う立場にいる方は,自分自身のことを振り返りながら,3年目を終えた看護師に対し「どのような支援が必要なのだろうか」と考えてみることで,あらたな気づきが得られるかもしれません。