特集にあたって 編集部
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今回の特集では,からだに働きかけ,そのことによって「からだから働きかけられる」というような対象と看護の相互性-コミュニケーションの発展について考えていきたい。記録やその他の業務で多忙な看護業務の中では,対象との距離間(物理的/心理的距離)が知らず知らずのうちに広がり,対象との関係性構築やそこからのケアの発展という点において支障が生まれてしまうかもしれない。もちろん,精神科看護においては対象との適切な物理的・心理的距離の見定めの重要性がいわれるが,そもそも対象との「間」が著しく空いてしまうようであれば,関係性の発展とケアの展開は危ぶまれるだろう。こうした諸課題に対して,対象の「からだに働きかける」という指向は,関係性を結び発展させるための大切な初手となるものだろう。 |