特集にあたって

編集部

 今月号は精神科看護師として働きつづけるための「やりがい」に焦点をあてた特集です。精神科看護は奥深い領域であることは自明です。そうした領域である以上,そこから「やりがい」を見出していくためには,日々の実践の追及に加え,学びつづけることが不可欠であり,事実,日本精神科看護協会の倫理綱領においても「(精神科看護師は)専門職業人として質の高い看護を提供するため継続して学習に努める」こととされています。とはいえ学びつづけることは,本人にしろ,スタッフに求めるにしろ,その動機づけに多くの困難がつきまとうもの。そこで本特集では自らの学び,そしてスタッフへの学びへの動機づけについて各病院の実践者に報告をいただきます。
 冒頭記事では看護師にとってのやりがいの源泉である目の前の患者の回復について,当事者の方々にリカバリーストーリーを紹介していただきました。この視点は精神科看護師としてのアイデンティティにもかかわる課題です。そして,学ぶこととその成果としての「看護研究発表」への参画を促すスタッフへの働きかけ,また病棟師長という立場から,いかにスタッフに学ぶ意欲をもってもらうか「精神科看護師としての不安」をキーワードに紹介いただきます。さらに,看護チームにとって欠かすことのできない看護補助者への学びとやりがいの発掘への取り組みについても具体的な実践を紹介いただきます。