特集にあたって 編集部
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患者/利用者の主体性の保障。この点への配慮の必要性は精神科医療・看護において長きにわたり語られ,“主体性の尊重”と銘打たれた実践が対象者に提供されている。こうした志向自体は今日的な精神科医療・看護としてめざされるべきであろうが,その内実に関してはいまだ諸課題を残しているだろう。その諸課題の源泉の1つは,(特に入院医療においては)患者/利用者が構造的に支援を“される”側にあるということと,かれらが「主体性」を発揮するという考え(を医療者が認めること)の両立の難しさにあるのではないか。こうした両立の難しさは特に臨床実践において看護展開上の難点として焦点化される。この難しさを真摯に受けとめ,それでも「患者/利用者の主体性の保障」という理念を看護実践として貫徹するには,「この実践は本当に対象者の主体を尊重したものなのか?」という不断の振り返りが求められるのだろう。 |