特集にあたって

編集部

 精神科病院では,日々の患者ケアを担う看護補助者(以下,補助者)の果たす役割は極めて大きい。患者をケアするチームの一員としての看護補助者への教育の充実は,患者のケアの質の向上にも直結する。そこで本特集では看護補助者への教育の充実をはかる取り組みを紹介する。
 冒頭記事では,看護補助者をめぐる諸施策をふまえ,教育体制の整備と業務分担の取り組みについて紹介いただいた。看護補助者の働く現場は病院内にとどまらない。就労移行支援事業の現場での看護補助者の活用についての記事では,看護補助者のキャリアアップの場としての(病院だけでなく)障害福祉という選択肢が示された。座談会①では,同テーマで2014年4月に紹介した福井記念病院のスタッフに再度登場いただき,ケアワーカーへのプリセプター教育のその後の状況を含め,ケアワーカーが主体性をもって業務へと取り組むための体制づくりについて紹介していただいた。座談会②では,日本人以外の看護補助者の採用(主にはフィリピン人)を積極的に進める上林記念病院に,看護補助者への外国人の採用の課題とそれによる組織変化に関するお話を伺った。座談会③では,山田病院のスタッフにご協力いただき,看護補助者の強みをあらためて検討しつつ,看護師―看護補助者の間の「壁」についても考える。併せて看護補助者へのメンタルヘルスに関する支援についても検討した。