特集にあたって

編集部

 看護記録,それはいつでも看護師を悩ませる。大切な業務,ということは理解しつつも,苦手意識を抱く方も多いだろう。弊誌では発刊当初より何度か看護記録を取り上げてきた。看護記録への苦手感の中核には(「手間」というレベルは除くとして)「記録を看護計画と連動させることの難しさ」があるように思う。今回の特集として看護記録を扱うにあたり,まずその点に着目した。また,看護計画にそったケアとその看護記録の充実においては,解決すべき問題・課題のみならず,患者の「ストレングス」の記載という意識が重要ではないかと考える。計画とたしかに連動していること,また「ストレングス」という観点が導入されていること。それが「ケアと人が見える」記録となのではないと考える。
 まず,冒頭記事では「記録を看護計画と連動」することの,もっとも現実的な方策としてのクリニカルパスの使用による計画の一貫性と記録の充実について紹介している。このほか,「問題解決型思考」と「ストレングス」視点による記録の差異,看護基礎教育や臨床現場における「ケアと人が見える」記録の作成のための教育,「ストレングス」に関する情報収集の技術,患者に寄り添った「患者参画型看護計画」の実践など,すぐに参考にできる記事をそろえた。
 「毎日同じことばかりで,何を書けばいいのか……」。日々の臨床ではそう思うこともあるだろうが,視点を変えれば,記録に残すべき事柄は多彩にあるはず。