特集にあたって

編集部

 「看護者は,常に,個人の責任として継続学習による能力の維持・開発に努める」「精神科看護者は,専門職業人として質の高い看護を提供するため継続して学習に努める」
 これらの文言は,看護職能団体が掲げる精神科看護師に求められる倫理の1つです。この通り,看護師(あるいは支援者全員が)が継続して学ぶことは看護師としての責務です。では,どのように学ぶか。もちろん自己学習も大事になりますが,臨床の場では「多くの異なる視点の取り入れ」が支援者の学びにとって重要ではないでしょうか。そこで,今回の特集企画では,学ぶ場そのものを取り上げ、また、その学ぶ場をつくるということ,そこに参加することの意味・意義について検討をしたいと思います。
 冒頭の座談会では,事例検討会によって地域の連携が形作られていく過程とその運営をどのような準備によって成り立たせているかについて詳しく話していただきました。続いての記事では,かつて勉強会になかなか足が向かなかった看護師が,学習に動機づけられた体験を経て多種多様な学びの場づくりを行っている模様をご紹介いただきました。最後の座談会では,病院内で勉強会を継続的に行っているチームの,実践と結びついた学習内容と継続のために必要なことをご紹介いただきました。「よい看護をしたい」という思いを絶やさないためには,まずは気軽に学ぶ場に足を運ぶことからではないかと思います。