特集にあたって

編集部

 精神科病棟において長期入院患者の高齢化が進んでいることはすでに周知の事実であるが,それに伴う褥瘡やスキン-テアの発生,その処置は業務のなかでも大きな問題となっている。各病院において褥瘡対策委員会で取り組みを行っていることもあるだろう。この機会にあらためて,褥瘡,スキン-テアの基本的な部分の復習を行い,そして予防,ケアについて見直す必要があるのではないか。
 本特集では,まず冒頭記事にて褥瘡,スキン-テアの基本的な項目について,また精神科における褥瘡の特徴を解説していただいた。続いてドレッシング材,外用剤の選択などを含めた褥瘡の基本的な処置方法について,そしてスキン-テアを予防するための細かなポイントを紹介している。さらにスキン-テアの予防を実態調査の研究をきっかけに取り組みを始めた病院から報告をいただいた。
 スキン-テアはともすれば,ご家族など外部の方から虐待の形跡と誤って受けとられる可能性がある。しかしながら,対策を講じれば極力避けられるものでもあるはずだ。また,身近な部分からケアを行うことが患者のQOL向上につながる。看護師が日常的に何かできることがあるのではないか。基本的なケアこそが重要であることを振り返りたい。