特集にあたって

編集部

 特集1では,薬物療法におけるSDM(Shared Decision Making:共同意思決定)をメインテーマにすえました。SDMは1つの理想。そこには看護者―患者の対話を通じた協働性・対等性の確保という,今日的な精神科看護の姿があります。ただ,SDMが「無意識のうちに押しつけた合意によるケア」に陥ることは避けたいもの。紹介している豊富な事例を参考に,パターナリズムを超えた,「対等な対話を続けていくかかわり方」のヒントを得ていただければと思います。
 特集2では「必ず押さえたい薬物療法におけるフィジカルアセスメント」として,副作用をとらえるための基本的で,的を絞った身体診査技術を紹介しています。最低限,本稿を押さえておけば,副作用の「見方」は理解ができるでしょう。
 特集3では薬物療法看護を検討するうえで欠かすことのできない「服薬している当事者の声」を紹介しています。服薬への思いはそれぞれ。でも,いつでもどこでも看護の起点となるのは「本人たちの思い」です。