特集にあたって

編集部

 精神科病院においては,事故,事件が断続的に発生している現状から,常々議論が起こり,同時に精神科病院の存在意義について問われる機会も多いようです。そのような状況での倫理的なジレンマや,あるいは精神疾患特有の病状のためにケアの成果がわかりづらいということもあり,精神科看護師はやりがいを得にくく,ストレスも多いというのはよく耳にします。
 精神科看護師が無力感に陥らず,自分が行う仕事に意味を見出しながら今後も続けていくためには何が必要でしょうか? 今回は,精神科看護にはすばらしい専門性があり,楽しさとやりがいが多くあることをあらためて知る特集となっています。冒頭記事では精神科看護の専門性を考えるにあたり,精神科看護のケアの特殊性,意味が提示されました。加えて看護の実践を他者に向けて語ることが,精神科看護の社会的評価や理解につながると伝えています。続いて精神看護専門看護師の方に,看護を深く学ぼうとした理由,学習意欲を維持し続けるための秘訣についてお聞きしました。最後に精神科に長年勤めるベテラン看護師の方から,仕事を長く続けてわかったことと,若手看護師へのメッセージをいただいています。
 精神科看護は誇りをもつことができる仕事で,味わい深いものであると思い出していただきたいです。