特集にあたって

編集部

 本特集では頻度はそれほど高いとはいえないが,ひとたび表れると重篤となる副作用についてご執筆いただいた。冒頭の記事では医師による薬剤性急性好酸球のケースとの遭遇について紹介する。一般に広く使われているロキソプロフェンによる薬剤性急性好酸球の発症というまれなケースに対して,どのような対処を講じたのか。また,医師の観点からみたこうした「まれではあるが重篤な副作用」というケースにおける看護師の役割についてまとめていただいている。
 そして読者のみなさまもインタビューフォームなどで一度は目にしたことがある「抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)」「悪性症候群」「スティーブンス・ジョンソン症候群」「コリン作動性クリーゼ」のケースを取り上げ,それぞれの症状の特徴,観点のポイント,ケアの展開について紹介していただいた。
 「まれな副作用のなかでも重大な副作用を理解する」では少し角度を変えて,薬物療法における看護についても言及する。つまり「薬の適応・作用/副作用の知識を基本として,医師のみたてる治療方針にもとづいた『診療における補助』」が薬物療法における看護の業務となるのだが,その内実についていくつかのケースをベースに紹介する。まれにしか出現しない(重篤な)副作用について,事態が深刻になる前にどのような対応が求められるか参考にしていただきたい。