特集にあたって

編集部

 「看護師は忙しい」。各所でよく聞くことである。これは医療界全体で共通の問題でもあるが,精神科の場合は特に,精神科特例のため病棟の職員の配置が一般病棟より少なく,圧倒的に人手不足になりやすいことが最大の理由だと考えられるだろう。また,精神科看護では患者さんとの関係構築が大切と言われるものの,申し送り,配薬,看護記録,そのほかの事務作業などによって,患者さんとかかわる時間が少なくなっている様子が見受けられる。
 そのような状況でも,看護の質を低下させず,患者さんとかかわる時間を確保できている病院,スタッフは,どのような工夫をしているのだろうか? 巻頭記事では「ワーク・ライフ・インテグレーション」を主題として,「看護師をやっててよかった~!」と思える働き方について提言されている。続いて,精神科病院外来での看護業務の棚卸しを行い,それを振り返りながら,業務改善に取り組んだ例をご紹介いただいた。また時間・業務管理術について,個人個人での看護の工夫や姿勢も教えていただいたので,必見である。
 冒頭で「人手不足」と述べたが,現在の社会情勢を考えると人手不足が解消される可能性はほとんどないといっても過言ではないだろう。そのなかでも看護という仕事を楽しみながら,充実させていく方法を本特集から考えていきたい。