特集にあたって

編集部

 日本看護協会が発行した『プラチナナースの活躍促進サポートBOOK(2022年)』ではこのようなことが書かれています。「高齢化が進む私たちの社会では,医療・介護,健康支援(維持・増進等)の場等から,看護に期待が寄せられています。様々な看護への期待に応えられる経験豊かな人材が求められています」。日本社会は超高齢化と人口減少の一途を辿っています。労働力不足の解決は喫緊の課題です。病院経営から見れば,(精神科)訪問看護ステーションの興隆が著しい現在,看護師の獲得も容易にはいかなくなることも予想されます。
 他方,働き続けることに決めたシニアナース(プラチナナース)の心情はどうか。もちろん人にもよるわけですが,たとえばモチベーションの維持に課題を抱えてしまう場合があるかもしれません(管理職の立場についていた人がスタッフナースとして働くことの,あるいは単純に体力・気力の低下,または給与など)。ここに簡単な解決策はありませんが,少なくとも病院側は,シニアナース(プラチナナース)を単なる「(人員配置基準のための)頭数」とだけとらえずに,「あなたには積み重ねてきたキャリアがある。それを病院は買っている」というメッセージを伝えていきたいものです。本特集がシニアナース(プラチナナース)の理想的な活用の一助になれば幸いです。