特集にあたって

編集部

 2024(令和6)年度に診療報酬が改定され,6月に施行となります。今回は医療,介護,障害福祉サービスのトリプル改定にもあたり,日本での高齢化と人口減少を見すえ,すべての人がいかに効率よく,持続的に,適切で安全な医療を受けられるかが課題になっている様子です。同時に医療を提供する医療従事者の働き方にも焦点があたっています。
 この改定に関する詳細な説明については厚生労働省からも発表されていますが,その量は多く,すべてを読み込むのはなかなか手のかかることです。また,「一般のスタッフにはあまり関係がない」と思うかもしれません。しかし,基本的なところだけでも押さえておけば,看護の仕事,ケアの質の向上にもつながります。そこで本特集では,診療報酬とはどういう仕組みなのかというところを解説いただいた記事をはじめにして,実際に病院での動きにどのような形でかかわっているのか,その実情を2つの病院からご紹介いただきました。また,地域の精神科訪問看護師の働き方への影響についても考えるような記事が続いています。
 診療報酬のことがわかれば,患者さんへのケアの質の向上について考えるきっかけとなり,そして精神科の今後の動向,看護師としての働き方についてもわかります。本特集をご覧いただくことで,よりよい精神科看護につながればと思います。