特集にあたって

編集部

 「特集1 感情症への診断横断的CBT『UP(統一プロトコル)』」では,まず冒頭,UPが開発された背景・理論から治療標的・対象までを解説し,次稿にて具体的な治療内容・各スキルを紹介する。臨床場面でのUPの実践については,精神科訪問看護での(架空)事例をもとに詳述する。特集最後の記事では,UPが看護実践にもたらす知見(「思考の落とし穴に着目したアセスメント」)を紹介しつつ,本特集でご執筆いただいた伊藤正哉先生・高野かさね先生による,CBTをこれから実践する/実践している方々からの一般的な疑問に答える「教えて! CBTのQ&A」を掲載している。
 「特集2 BCPの観点で訪問看護での不測の事態に備える」では,訪問看護におけるBCPを扱う。BCPの考え方の基本は,「事業をできるだけダメージを少なく継続,復旧するために,リスク管理の立場から日常から,『不測の事態』を分析して,自らの施設の脆弱な点を洗い出し,その弱い部分を事前に補うよう備えておくこと」である。本特集では,業務を中断させかねない「不測の事態」の代表ともいえる自然災害への備えに加え,訪問看護業務のなかで発生する急変時や暴力,セキュリティ対策,交通事故時の対応などの「不測の事態」への対応についても解説していく。