特集にあたって

編集部

 ユニフィケーション(Unification)とは「統一,統合」を意味するとおり,看護においては臨床実践(病院)と教育(学校)が統合,協働,往還することで,看護の専門性,実践力を高めていく考え方や取り組みのことをさします。ユニフィケーションという言葉自体は1970年代からアメリカで提唱され始め,1990年代に日本でも取り入れられたものの,その実践のハードルの高さゆえ,残念ながら十全に活用されているようには見受けられません。そのハードルとして人員不足の問題や,臨床と教育での相互理解の問題などがあげられますが,精神科看護の専門性や倫理などが問われる昨今においては,その重要性をあらためて考える必要があるのではないでしょうか。
 冒頭記事においては「ユニフィケーション」という概念の説明と,その意義,課題が整理されています。次に学校教員のお二方を招いて座談会を行い,理想と現実,その内情を語っていただいております。一方で現場における現実的なユニフィケーションの姿について,実習指導での新人看護師のメンタルヘルスケア,教育とのかかわりの形という視点からお教えいただきました。
 「忙しくて通常業務以外を行う余裕はない!」という意見も承知のうえです。臨床と教育が連携することによって,現状を打破する機会も訪れるのではないでしょうか?