特集にあたって

編集部

 2025年の増刊号は3つの特集で構成しています。
 特集1「地域支援・精神科訪問看護のピンチをこう乗り越えた」では,地域支援に従事する13の事業所の方に,支援を通じて遭遇した利用者・支援者の“ピンチ”と,その“ピンチ”を乗り越えた方法と工夫,またその体験から得た対応力について紹介いただきました。みなさまにもいつ降りかかるかもしれない“ピンチ”に備える一助になればと思います。
 特集2「いま一度,SSTの「力」を再確認したい」では,主に児童思春期の人たちへのSSTの実践方法について解説いただいています。児童思春期という特性に合わせたトレーニングの極意は,もちろん成人へのSSTの実践にも通じますので,どのような対象を看護する方にとっても必見の内容となっています。
 特集3「トラウマインフォームドケアが広がっている」では,これからのメンタルヘルス支援の核になるといっても過言ではないトラウマインフォームドケアについて,多様な角度からご執筆いただきました。特に子どもの教育という領域におけるトラウマインフォームドケアの効用について書かれた「こどもまんなか社会とトラウマインフォームドケア」はまさに必読です。児童虐待,いじめ,不登校,ひきこもり,ヤングケアラー,貧困,体罰,セクハラといった逆境体験にさらされがちな現代の子どもたちが健やかに成育するためには,トラウマインフォームドケアは必須の知識です。