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必携! 精神看護学実習ポケットブック

必携! 精神看護学実習ポケットブック

編著
野中浩幸(岐阜医療科学大学保健科学部看護学科 准教授)
乾 富士男(畿央大学健康科学部看護医療学科 准教授)
心光世津子(大阪大学大学院医学系研究科保健学専攻 助教)
B6判変型(182×111mm) 208頁
定価(本体価格1,800円+税)
ISBN978-4-86294-029-2
2010年9月刊行

絶版

※著者の所属、肩書きは刊行時のものです。

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◆解説

限られた実習期間の中で、精神看護学の核心に迫るための1冊!
第1部は、ペプロウのモデルに基づく看護過程の展開に問題志向型の看護過程(「アセスメント」「診断」「計画」「介入」「評価」)が組み込まれた構成となっています。
第2部では刻々とかわる臨床において、どのように看護計画は立てられ、時に修正がくわえられ、展開されていくのか、精神看護学実習で実際に遭遇する場面を基に紹介しています。

◆内容構成

◇第1部 看護過程のポイント!
1 患者と互いに知りあい関係を築いていきましょう!

乾 富士男

2 患者とともに患者の目標を明確にし,計画を立てましょう

心光世津子

3 患者が計画を実行するのを援助しましょう

乾 富士男・心光世津子・野中浩幸

4 かかわりや患者の反応から目標や計画を見直しましょう

乾 富士男・心光世津子

5 実習を振り返り患者やスタッフと看護過程を共有しましょう

心光世津子

◇第2部 精神看護学実習で遭遇する場面
患者さんに拒絶された―はじめから患者さんと会話すらできない!

益田ゆかり

 患者さんに拒否された!―仲良かったのになぜ……

乾 富士男

 患者さんがだんだんよそよそしくなってきた

後藤文人

 患者さんがどんどんべったりしてくる……このままでいいの?

後藤 恵

 誰も患者さんのことをわかってくれてない! 私がなんとかしなければ!

益田ゆかり

 患者さんの妄想の対象にされた!―私は「スパイ」で患者さんのお金を狙っているらしい

竹内公花

 否定も肯定もしないという意味がわからない!①―否定していないつもりだったのに否定していた?

村上 茂

 否定も肯定もしないという意味がわからない!②―傾聴していたら妄想の話がふくらんできた……

村上 茂

 否定も肯定もしないという意味がわからない!③―妄想を聞きながしたら,怒られた

村上 茂

 患者さんにセクハラされて患者さんのことが嫌いになってきた

心光世津子

 患者さんに暴言を吐かれて患者さんのことが怖くなった

川田美和

 患者さんが入院生活を受け入れられていない

矢野優子

 患者さんに何も問題がない!

野中浩幸

 患者さんの問題が見えない……

矢野優子

 患者さんが水を大量に飲んでいる!

後藤文人

 日中の活動を促したのに余計不眠になった!

川田美和

 プロセスレコードを書いて,患者理解を深めよう

石束佳子

 

第3部 精神科看護の基礎知識を知ることで実習をより豊かに!(資料)

野中浩幸


・精神科医療で見られる症状の解説
・精神保健医療福祉に関する用語とその根拠となる法律・制度
・よく使われるカルテ用語
・実習に臨むにあたり知っておきたい向精神薬

 

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

効果的な実習は教育上の課題
 精神看護学実習に臨む看護学生にとって,待望の図書が発売された。本書『必携! 精神看護学実習ポケットブック』である。
 教育に携わる教員にとって,看護学生が大きく成長した(変容した)と思われるときがある。その大きな要因の1つが臨地実習である。看護基礎教育の中で,実習のもつ重要性を否定する教育者はいないであろう。それだけに,いかに効果的な実習が実施できるかは,教員が教育的効果の観点からも常に吟味しなければならない教育上の課題である。
私の体験から,この重要な教科である精神看護学実習での学びが乏しい学生には2つのタイプがある。1つは「精神科は難しい」との思いから,最初から拒否反応を示すタイプ。もう1つは,受け持ち患者が身体的には問題なし,日常生活も表面的には問題なく過ごしている姿を見て「精神科のケアは簡単だ」と判断するタイプである。いずれのタイプも,精神看護学実習の醍醐味を味わうことができない。
 精神科病棟は学生が不安と期待で臨む未知の病棟であり,そこで体験する精神看護学実習で学生はいくつかの壁にぶつかる。病棟スタッフは患者に職人芸のケア(アプローチ)を行っているのだが,それまで教科書上で学んできただけの学生には,その技の真髄を知ることができない。論理的アプローチの重要性を教授されてきた看護学生の戸惑いは大きい。その戸惑いに適切な指針を示してくれるのが本書である。
 編著者の1人である野中浩幸氏とは一年間,同僚として過ごしたことがある。野中氏は20年以上にわたり精神科病院での臨床経験があり,臨床最後の数年間は精神科病院のスーパー救急病棟師長として活躍され,その後,看護基礎教育に携わっている。本書の執筆者は,野中氏はじめ第一線の指導者と教員である。本書は臨床実習指導者として,また指導教員として,看護学生の実習を受け持ち学生指導やカンファレンスを通して,精神看護学実習で学生が遭遇し悩む現実を考慮して書かれている。毎日の業務,教育から学生に接する機会が多い著者たちだからこそ書ける内容となっている。

看護過程の基礎から事例,資料まで
 本書は3部構成となっている。第1部は「看護過程のポイント」である。
 私自身,実は精神科看護領域で看護過程を使用する場合は配慮が必要と考えている。学生が受け持ち患者を観察するときに,表面的な欠点(いわゆる問題点)のみに注目することが危惧されるからである。本書では観察の視点を拡大することで,患者の全体像を公平な立場から理解できるように書かれている。これによって,学生は患者をマイナス面からだけでなく,プラス面からも評価できるように工夫されている。またこの第1部は看護過程を展開するうえでの根拠(エビデンス)について,大切な理論が平易に,わかりやすく解説されている。
 第2部「精神看護学実習で遭遇する場面」は事例集となっていて,学生が臨地実習で遭遇した際に戸惑うと思われるケースが多く集められている。たとえば「患者さんに拒否された」「患者さんがだんだんよそよそしくなってきた」,逆に「患者さんがどんどんべったりしてくる」そして「患者さんの妄想の対象にされた」などである。また国家試験では正解とされる「(妄想を)肯定も否定もしないという意味がわからない」というケースにも触れられている。私自身,実習指導をしていたときこれらの事例はすべて体験したことがあると,思わず納得してしまった。
 本書ではこれら16のケースについてさりげなく解説してあるが,実は奥が深い。学生の初期アセスメントと計画に対して,(やさしい)モモエ師長がアドバイスをすることで,学生が患者のもつ異なる面にも注目できて,修正アセスメントと計画を立てる,という設定で書かれてある。すなわち,このようなケースを受け持った学生が,患者の表面的解釈にとどまることなく,さらに深めた見方ができるように配慮されていることがうれしい。
 第3部は資料編である。精神科の臨床で関連する精神症状,関係法律,カルテ用語そして向精神薬など,学生が実習で知りたいと思う必要な知識が,項目ごとに体系化してまとめてあるので便利に活用できる。

学生目線から,その悩みを知る
 本書は初めて精神科病院で実習する学生には強い味方となり,臨地実習前,実習中,そして実習後にも役立つように構成されている。手がかりとしていくつかのコラム(ヒント)が書かれていて,また引用・参考文献もつけられているので,精神看護学に関心をもった学生は,さらに学習を深めることができるようになっている。本書の体裁はその名の通り,コンパクトにまとまっていて,実習時に持参できるように工夫されている。
 精神看護学実習で学生は患者の態度に一喜一憂することが多い。学生には,患者に関心を向け,起こっている現象の原因を考えさせることが重要である。学生がどのような視点で実習に臨んでいるのか,どのような場面で悩んでいるのかを事前に知ることは,実習による効果を著しく向上させるため,学生指導の際にはとても参考になる。そのため,学生目線で書かれている本書は,病棟で学生を指導する実習指導者や指導教員にもお勧めしたい一冊である。

三重県立看護大学 精神看護学 教授
水野正延

※『精神科看護』2011年7月号より転載

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
       
 
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