◆内容紹介
1~10の項目からなる本書では,まずコミュニケーションの基本理解と有効なコミュニケーションの方法について解説していきます。そして,対人関係の構築のための自己理解・他者理解を深める方法について詳述し,後半にてカウンセリングにあたっての心がまえと,その具体的な技術・方法について順次解説を進めていきます。本書を貫く思想は「自己理解(自己概念の探求)を通じた他者理解」です。看護職のみならず,人を支え,理解したいと願うすべての対人援助職の方々にとって必携の1冊です。
◆主な内容
1 コミュニケーションの基礎
五十嵐愛子(前 文京学院大学看護学研究科看護学専攻 教授/同 保健医療技術学部看護学科精神看護学 教授)
◆コミュニケーションとは
◆看護におけるコミュニケーションの位置づけ
◆コミュニケーションの構成要素
◆コミュニケーションの手段
◆対象の心を読みとるポイント
◆受け取ってもらえるように表現する
2 自己概念とコミュニケーション
東中須恵子(東都大学沼津ヒューマンケア学部看護学科精神看護学 教授)
◆自己概念の探求がなぜ重要か
◆メッセージの伝え方と「その人らしさ」
◆コーチングとティーチング
◆コーチングの実践
◆私の経験―人間関係とコミュニケーション
3 人との関係づくりと自己理解
板橋直人(帝京科学大学医療科学部看護学科精神看護学 講師)
◆自分を理解すること:ジョハリの窓
◆ジョハリの窓(Johari Window)とは
◆人を相手にする人のコミュニケーションの特徴
◆境界線の重要性
◆サービス提供者と利用者の立場の違い
◆人を相手にする職場で抱えやすいストレス
4 プロセスレコード―自己理解・他者理解を深める技法
藤田友成(東都大学沼津ヒューマンケア学部看護学科精神看護学 助手)
◆プロセスレコードとは
◆プロセスレコードの歴史的展開
◆プロセスレコードの今日的意義
◆看護教育でのプロセスレコード活用の目的と方法
◆プロセスレコードの学習効果
◆プロセスレコードの構成と記入方法
◆プロセスレコードを活用した学習方法
◆単なる記録作業を超えて
5 異和感の対自と自己理解―「ズレ」をとおした相互理解
仙田志津代(前 人間総合科学大学保健医療学部看護学科精神看護学 教授)
◆対人関係場面における異和感
◆異和感の対自はなぜ必要か
◆感情活用の方法―事例をとおして
◆この事例を振り返って
◆自分自身とどこまで向き合うことができるのか
6 カウンセリングにおける基本的姿勢
星野正和(医療法人社団形外会三島森田病院 総看護部長/株式会社時之栖 相談室心理カウンセラー)
◆カウンセリングの本質的要素
◆カウンセリングにおける基本的姿勢
◆森田療法を活用した事例
7 カウンセリング理論と実践
田野将尊(医療法人埼友会埼友草加病院 副看護部長/東都大学沼津ヒューマンケア学部看護学科精神看護学 非常勤講師)
◆カウンセリングとは何か
◆こころの理解と心理学の発展
◆こころの働きと脳の関係
◆コミュニケーションとこころ
◆心理療法としてのカウンセリング理論
◆カウンセリングの限界
8 カウンセリングの技法1―傾聴・受容・共感
田野将尊(医療法人埼友会埼友草加病院 副看護部長/東都大学沼津ヒューマンケア学部看護学科精神看護学 非常勤講師)
◆カウンセリングにおけるコミュニケーション
◆傾聴の基本姿勢
◆傾聴の具体的技法
◆共感と受容
◆質問技法と話題展開
◆積極的傾聴とフィードバック
◆実践上の注意点
9 カウンセリングの技法2―自己受容と他者受容
菊地 淳(日本保健医療大学保健医療学部看護学科精神看護学 准教授)
◆相手を受け入れるということ
◆自己受容―自分をどう受け入れるか
◆他者受容―「わからない」ことを受け入れる姿勢
◆受容を妨げる心理メカニズム
◆事例で学ぶ受容の実践―怒りの奥にあったもの
◆多職種で支えることの意味
10 リエゾン精神看護
遠藤りら(東都大学沼津ヒューマンケア学部看護学科精神看護学 講師)
◆一般診療科におけるメンタルヘルスの課題
◆リエゾン精神看護とは
◆発展の歴史と背景
◆身体疾患患者とメンタルヘルス
◆精神状態に影響を及ぼす要因
◆リエゾン精神看護の機能と役割
◆精神科リエゾンチームの活動について
◆リエゾンナースによる看護カウンセリング
◆リエゾンナースの実践事例